浜風が吹き荒れる甲子園で、スタンドを揺らす放物線が増えている。育成から這い上がった新鋭スラッガーと、高卒4年目を迎えた大器がクリーンナップに並ぶ光景は、数年前には想像もつかなかった未来だ。相手投手の配球パターンを極限まで読み切る打撃コーチ陣のアプローチが、若手の潜在能力を一気に開花させた。
単なる大振りではない。カウントに応じたノーステップ打法への切り替えや、反対方向への粘り強い進塁打。チーム打撃の意識が徹底されたことで、一死三塁での確実な加点が可能になった。主砲の離脱というアクシデントすら跳ね返す層の厚さは、今の阪神にとって最大の武器だ。