西村まさ彦の俳優人生を語る上で欠かせないのが、脚本家・三谷幸喜との運命的な出会いです。富山県出身の西村は、富山商業高校を卒業後に上京し、東宝学園芸術短期大学などで演劇を学んだ後、三谷が主宰する人気劇団「東京サンシャインボーイズ」に参加。劇団の看板俳優としてメキメキと頭角を現しました。
その才能が一気に全国区へと知れ渡る契機となったのが、1994年にスタートした田村正和主演の伝説的刑事ドラマ『古畑任三郎』です。西村が演じた部下の刑事・今泉慎太郎は、優秀な警部補・古畑の推理を引き立てるコミカルで憎めないキャラクターとして圧倒的な人気を獲得しました。
劇中で見せた古畑からのおでこを叩かれる定番のやり取りや、不条理な扱いに翻弄される哀愁漂う芝居は、脚本の三谷が西村の個性と間(ま)を熟知していたからこそ生まれた至高のエンターテインメントでした。スピンオフ作品『巡査・今泉慎太郎』が制作されるほどの社会現象となり、日本のテレビ史に刻まれる名コンビとして不動の地位を築き上げました。