家系ラーメンの歴史を語る上で欠かせないのが、元祖「吉村家」の創業者である吉村実(よしむら みのる)氏の存在です。長距離トラックの運転手として全国を走っていた吉村氏は、各地で口にしたラーメンの味を研究する中で、「九州の豚骨スープと東京の醤油スープを融合させたら旨いのではないか」という着想を得ました。
その後、ラーメンショップ(通称・椿系)などで過酷な修行を積んだ吉村氏は、1974年、横浜市磯子区の新杉田駅近くに「吉村家」をオープンさせました。工業地帯で働く労働者たちの胃袋を掴むため、濃口醤油の塩味、豚骨・鶏ガラの濃厚なコク、上質な鶏油の香りを重ね合わせた力強いスープを開発。さらに、当時としては画期的だった「麺の硬さ・味の濃さ・油の量」を選べるお好みシステムを導入し、爆発的な人気を獲得しました。
1999年には横浜駅西口へと店舗を移転し、全国からラーメンファンが集う聖地へと昇華。2023年春には同じく横浜・岡野交差点至近の自社ビルへ移転を果たし、今なお総本山として圧倒的な存在感を放っています。