海を渡った日本の伝統思想は、2000年代初頭のテクノロジー業界に強烈な衝撃を与えた。その立役者となったのが、アジャイルソフトウェア開発宣言の起草者の一人であるアリスター・コーバーン氏だ。同氏は、技術者がチームとして成長し、自律的にプロダクトを創出するための学習モデルとして守破離を熱心に提唱した。
アジャイルアライアンスをはじめとする国際的なコミュニティでは、スクラムの導入フェーズを「Shu-Ha-Ri」で説明することが定番となっている。最初は厳格にフレームワークのルールを守り(守)、現場の状況に合わせてカスタマイズを加え(破)、最終的にはプロセスを意識せずとも最適な意思決定ができる状態(離)へと昇華させる。伝統の武道論は、最先端のソフトウェア開発現場で必要不可欠な共通言語へと進化したのだ。