海抜ゼロメートル地帯を多く抱える大阪市域において、高潮と河川氾濫の重複リスクは長年の課題だ。現在、大規模な浸水想定エリアに対して沿岸部を中心に「大阪湾高潮防潮堤強化プロジェクト」が強力に推進されている。最新の浸水ハザードマップでは、淀川や大和川の越水だけでなく、高潮による市街地への海水流入シナリオが緻密に再計算された。
防潮堤の嵩上げや水門の自動閉鎖システムの導入により、過去の猛烈な台風レベルの潮位に対抗する基盤が整備されつつある。しかし、想定を超える集中豪雨が同時に発生した場合、内水氾濫による地下鉄駅構内や地下街への浸水被害は完全には防ぎきれない。ハード面の対策だけに頼らず、個々の判断による早期の垂直避難が求められる。