なぜ、これほどまでに味の差が生まれるのか。答えはシンプルだ。熟度覚悟の「完熟収穫」である。
一般的にスーパーなどの流通に乗るイチゴは、輸送中の傷みを防ぐために7~8分熟れの段階で収穫される。しかし、完熟直前の数日間こそが、果実に糖分と芳香成分が爆発的に蓄積される黄金の時間だ。藤枝の農家たちが提供するのは、親株から栄養を受け取り切ったまさに「熟度100%」の状態。ヘタの際まで真っ赤に染まり、指で触れると吸い付くようなハリがある。口に入れた瞬間に弾ける果肉と、鼻に抜ける重厚なフレーバーは、これまで食べてきたイチゴの概念を心地よく裏切ってくれる。