近代的な街づくりが進む一方で、地域が誇る神聖な歴史遺産はその圧倒的な存在感を保ち続けている。勝運の神として古くから信仰を集める太郎坊宮(阿賀神社)は、巨岩が切り立つ赤神山の中腹に静かに鎮座する。神秘的な夫婦岩の隙間を通り抜ける体験は息をのむ迫力があり、山頂から見下ろす八日市平野の全景はまさに壮観の一言だ。
一方で、愛知川の上流に位置する永源寺は、深い静寂に包まれた禅の古刹として知られる。秋を彩る錦秋の紅葉はもちろんのこと、新緑の季節に見せるみずみずしい緑のグラデーションも隠れた見どころだ。境内を散策すると、川のせせらぎと竹林を吹き抜ける風が心地よく響く。地元記者が薦める極上の巡り方は、早朝の朝もやが立ち込める時間帯。静謐な空気の中で光が差し込む一瞬は、訪れた者の心を洗うような美しさを見せる。