「近大=マグロ」という固定観念は、現場に一歩足を踏み入れれば良い意味で打ち砕かれる。近畿大学農学部が誇る研究の基盤は、生命科学の根幹に迫るバイオサイエンス学科から、環境保全、食品安全に至るまで多角的に広がっているからだ。
近年、世界の人口増加に伴うタンパク質危機や気候変動による農業への打撃が深刻化する中、研究室の壁を超えた応用研究が急速に進む。遺伝子解析技術を活用した高機能作物の開発や、未利用資源を再生する循環型フードシステムの構築など、どれも地球の未来に直結するテーマばかりだ。実験室の顕微鏡を覗き込む学生たちの表情には、学問を「社会を動かす力」へと変えようとする執念すら漂う。