もともと安住はアナウンサーを志望していたわけではなかった。大学時代は国語の教師を目指し、教育実習にも通っていた。しかし、ひょんなことから受験した放送局の試験で、彼の運命は大きく変わる。
当時の就職活動は超氷河期。教師への道も狭き門だった。滑り止めのような形で受けたアナウンサー試験だったが、TBSの面接官の目を引いたのは、彼の「普通っぽさ」の中に潜む、異様なまでの観察眼だったという。他の受験生が自己アピールに終始する中、安住は面接官のネクタイの曲がりや、部屋の空気感を冷静に分析するような発言を連発した。これが「面白い男がいる」と評価され、奇跡的な内定へと繋がった。