カメムシがこれほどまでに人々に忌み嫌われる最大の理由は、言わずもがなその「強烈な悪臭」です。刺激を受けると脚の付け根付近にある臭腺から分泌される液体は、トランス-2-ヘキセナールなどのアルデヒド系化合物を含んでおり、皮膚に付くと黄色く着色し炎症を起こすほどの刺激性を持っています。
さらに興味深いのは、この臭いがカメムシ自身にとっても有害であるという点です。密閉された容器にカメムシを入れ、自ら発した臭いを充満させると、なんと自分自身の毒気で死んでしまうことすらあります。集団で身を守るための警戒信号であると同時に、過剰に分泌されると自滅を招くリスクを秘めた、諸刃の剣とも言える生体システムなのです。