「悩んだら生きる方を選べ!」——金に汚く、欲望に忠実な両津勘吉だが、土壇場で見せる言葉の重みは読者の胸を強く打つ。彼が発する言葉には、飾らない本音と泥臭い生への執着が詰まっている。
上司や同僚に呆れられながらも、困っている者を見捨てられない人情コメディの主人公としての側面。一見すると破天荒なギャグの裏に隠された、人生の本質を突く名言の数々は、大人になってから読み直すことでより一層深く心に響くのだ。秋本治が両津というキャラクターを通して描き出したのは、理想論ではない泥臭い人間の強さそのものであった。