筋萎縮性側索硬化症の原因とは?最新研究と発症メカニズムの真相

筋萎縮性側索硬化症の原因とは?最新研究と発症メカニズムの真相

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筋萎縮性側索硬化症の原因は単一のウイルス感染や単独の生活習慣病とは異なり、遺伝的素因と複合的な細胞内ストレスが連鎖して引き起こされることが明らかになっています。臨床上、この病気は家族内に発症者がいない「孤発性ALS」(全体の約90〜95%)と、特定の遺伝子変異が受け継がれる「家族性(遺伝性)ALS」(全体の約5〜10%)に大別されます。

家族性ALSの研究から最初に見出されたのが、SOD1(スーパーオキシドジスムターゼ1)遺伝子変異です。この酵素が変異すると、本来無害化すべき活性酸素の処理能力を失うだけでなく、変異タンパク質そのものが細胞毒性を持つ異常凝集体を形成し、神経細胞を直接攻撃することが突き止められました。海外で多発する「C9orf72遺伝子」のリピート伸長変異や、FUS遺伝子変異など、現在までに30種類以上の原因・関連遺伝子が報告されています。

一方、大半を占める孤発性ALSの原因究明において決定打となったのが、神経細胞内の核に存在するはずのタンパク質「TDP-43」の局在異常です。核から細胞質へ漏れ出たTDP-43が異常にリン酸化・凝集することで、正常なRNA代謝が阻害され、神経毒性を発揮することが判明しました。遺伝的素因を持たない人であっても、加齢や酸化ストレス、環境的な負荷が重なることでこの異常凝集のスイッチが入り、不可逆的な細胞障害へと至るプロセスが有力視されています。

小林 直樹
著者

小林 直樹

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