公安の野崎守警視が追うラインにも、極めて決定的な展開が訪れた。バルカの現地警察と連携して入手したサーバーの解析データから、かつて乃木の父・ノゴーン・ベキが残したとされる手帳の欠落ページの内容が一部復元されたのだ。
画面に浮かび上がったのは、不規則な英数字の列と、ある特定の緯度・経度。そして画面の隅に映り込んだ「黄色いハンカチ」の映像である。前作において黄色は、幸福の象徴であると同時に、危険な合図や連絡のシグナルとして機能していた。野崎の鋭い観察眼は、そのハンカチの結び目が通常とは逆向きに結ばれている事実を即座に見抜く。
これは公安への密告なのか、それとも野崎自身を誘い出すための周到なトラップなのか。野崎が見せた険しい表情は、国家の安全保障を揺るがす過酷な真実が眼前に迫っていることを物語っていた。