「どこで感染したのか、全く思い当たる節がない」
多くの遺族や生還者が口を揃えて語る事実だ。傷口といっても、刃物による大きな切創ばかりではない。かかとを擦った靴擦れ、庭仕事中の小さな虫刺され、爪の脇のささくれ、あるいはヒゲソリの刃による目に見えないほどの小傷。そうした「誰もが日常的に作る傷口」こそが、菌にとっての絶好の侵入口となる。
警戒すべき初期症状は、傷口の大きさに到底見合わない「激痛」だ。見た目は少し赤い程度であるにもかかわらず、痛みが異常に強く、鎮痛剤が効かない。また、発熱や倦怠感とともに、患部が急速に紫色や黒色に変色し始めたり、押すと水ぶくれができるような変化が見られた場合は、一刻を争うサインだ。「明日まで様子を見よう」という判断が、命取りになる。