患者が体感する「薬の強さ」は、D2遮断力だけでなく、ヒスタミンH1受容体やアドレナリンα1受容体の遮断によるリスペリドン鎮静作用の度合いによって大きく変わります。主要3剤との抗精神病薬強さ比較を掘り下げます。
1. エビリファイ(アリピプラゾール)との違い
エビリファイはドパミンを完全に遮断するのではなく、過剰なときは抑え、不足しているときは補う「パーシャルアゴニスト(部分作動薬)」です。リスペリドンが「強力なブレーキ」だとすれば、エビリファイは「スタビライザー(調律器)」。眠気や体重増加を避け、日中の明瞭な意識を保ちたい場合はエビリファイが優位ですが、激しい興奮を速攻で抑える爆発力はリスペリドンに軍配が上がります。
2. オランザピン(ジプレキサ)との違い
オランザピンは多数の受容体に作用するMARTAです。D2受容体への遮断力はリスペリドンよりやや穏やかですが、ヒスタミンH1やセロトニン受容体を強く抑えるため、抗不安作用や催眠・鎮静の体感強度はオランザピンの方が圧倒的です。食欲増進作用が強く、体重増加リスクが高い点に違いがあります。
3. クエチアピン(セロクエル)との違い
クエチアピンはD2受容体から素早く離れる性質を持ち、力価としては非定型薬の中で最も低い部類に入ります。そのため錐体外路症状が出にくい反面、抗精神病効果を得るには数百ミリ単位の高用量が必要です。低用量ではもっぱら強い眠気や気分の安定を目的に用いられます。