本作の魅力を語る上で、二人の主演俳優による圧倒的な演技合戦を外すことはできない。モーガン・フリーマン演じる退職間近の冷静沈着なベテラン刑事サマセットと、ブラッド・ピット演じる血気盛んで正義感に燃える新人刑事ミルズ。この対極的なキャラクター造形が、物語に重厚なリアリティを与えている。
撮影現場において、ピットは役になりきるあまり怪我を負い、その包帯姿のまま撮影が継続されたシーンも存在する。リアルな痛みを抱えた演技と、フリーマンの静かだが力強い眼差しが交差する時、画面からはスクリーンを突き破るような緊張感が立ち上る。二人の化学反応こそが、単なる殺人事件の追跡劇を人間ドラマの深みへと昇華させた。