関東の美大シーンを語る上で欠かせないのが、武蔵野美術大学と多摩美術大学という二大巨頭のライバル関係だ。両校は毎年の美大受験シーズンにおいて受験生の志望校選びの双璧となり、互いに高め合う不可分な関係を築いている。
実技試験の傾向やキャンパスの風土には明確な個性の違いが存在する。実用的なデザイン思考と人間観察に基づいたロジカルなアプローチに強みを持つ武蔵野美術大学に対し、圧倒的な造形力や表現力を前面に押し出す多摩美術大学。受験生たちは自らの適性や目指す表現のあり方を見極め、両校の入試対策に挑む。この熾烈なライバル関係が存在するからこそ、日本の美大受験のレベルは常に高く保たれ、世界基準のクリエイターが持続的に輩出されている。