こうした混乱に対し、行政や研究機関も黙ってはいない。消費者庁は近年、根拠のない過大な効能効果を表示する健康食品事業者に対して景品表示法に基づく措置命令を相次いで出している。特に「病気が治る」「若返る」といった薬機法に抵触する表現は厳しく取り締まられており、厚生労働省のガイドラインでも適切な表示が強く求められている。
また、国立健康・栄養研究所が提供するデータベースでも、水素水や関連素材についての安全点検や有効性情報のファクトチェックが進められている。公的機関が発するメッセージは極めてシンプルだ。「水素そのものの研究可能性はあるが、未承認の健康食品に過度な医療的効果を期待してはならない」。行政の厳しい監視の目は、不透明な美容・ウェルネス業界全体の健全化に向けた不可欠なブレーキとして機能している。