かつては料亭の専売特許だった高級食材の調理は、デジタルプラットフォームの普及によって劇的な変化を遂げた。YouTubeの超高解像度動画による手元の可視化や、クックパッドに投稿される実践的なユーザー発の知恵が、家庭での調理ハードルを一気に引き下げている。失敗しやすいポイントが映像で直感的に理解できる恩恵は計り知れない。
こうした消費の広がりを支えているのが、日本屈指のブランド産地である三重県伊勢志摩地域をはじめとする各地の漁業者たちだ。伝統的な海女漁や刺し網漁によって傷をつけずに水揚げされた個体は、高度な活魚輸送技術によって鮮度を保ったまま全国の台所へと届けられている。家庭で捌く体験そのものが、産地と食卓を結ぶ強固な架け橋となっているのだ。