門を抜けた参拝者を圧倒するのは、境内のあらゆる場所に配置された600体を超える木彫り猫たちだ。チェーンソーアートの世界大会で名を馳せる作家が手掛けた躍動感あふれる大作から、本堂内に所狭しと並ぶ愛らしい置物まで、どれ一つとして同じ表情のものはない。頭にかぶって記念撮影ができる「猫かぶり」の木彫り面など、思わず笑みがこぼれる仕掛けが随所に散りばめられている。
しかし、雲林寺の本質は単なるフォトスポットではない。本堂の奥では、全国から寄せられる愛猫供養が厳かに執り行われている。旅立った家族同然のペットに思いを馳せ、手を合わせる参拝者の姿は絶えない。木彫りの絵馬には、愛猫への感謝の言葉や健康を祈る切実な願いがびっしりと書き込まれており、訪れる者の涙を誘う。