二つの飲料が纏う空気感の違いは、日本映画やアニメーションの演出にも色濃く反映されている。是枝裕和監督の映画『海街diary』では、鎌倉の古い日本家屋の縁側で四姉妹がラムネの瓶を傾ける場面が印象深い。ビー玉がガラスに当たって響く乾いた音は、通り過ぎる夏の気配と家族の記憶を象徴する映画的なアクセントとなっていた。
高畑勲監督の名作『おもひでぽろぽろ』でも、昭和のノスタルジーを呼び起こす小道具として瓶入り炭酸飲料が鮮やかに描かれている。現在、Netflixなどの世界的なストリーミング配信を通じて海外の視聴者がこうした作品に触れ、日本特有の「ビー玉が入った不思議なガラス瓶」に強い興味を寄せている。飲む行為そのものが小さな儀式となるラムネは、もはや喉を潤す道具を超えて、ひとつの文化的アイコンとして世界に浸透しつつある。