衣類のタグに縫い付けられた洗濯表示(JIS L 0217や現行のISO基準記号)を確認すると、多くのニット製品には「平干し」を示す四角の中に横線が入ったアイコンが記されている。国際的な品質基準を示すウールマーク付きの製品であればなおさら、平置き乾燥が推奨されるケースがほとんどだ。
水分を含んだウールやカシミヤの毛繊維は、濡れると結合が一時的に緩み、外力によって形状が固定されやすい性質を持つ。平干しネットの上に広げて乾かすのが繊維力学的には理想とされる理由はここにある。しかし、都市部のマンション暮らしなどで平干しスペースを確保できない場合、前述の「重力分散ハンガー術」が科学的に最も平干しに近い乾燥環境を再現する手段となる。