世界の巨漢たちに引けを取らないグリップ力を誇るのが、日本の超人たちです。なかでも専門的なグリップ競技界で「生きる伝説」と呼ばれるのが新沼大樹氏です。
新沼氏は身長173cm前後、体重も最盛期で80kg台と、ヘビー級の怪力選手と比べれば決して大柄ではありません。しかし、彼が発揮するクラッシュ力とピンチ力(つまむ力)は世界トップクラスです。アイアンマインド社の難関グリッパーを次々と制覇し、日本人として初めてCoC No.4を閉じたと国内外の競技者コミュニティで認められています。トランプ一束を一度に真っ二つに引き裂く、硬貨を親指で曲げるといった超人的パフォーマンスは、単なる筋肉の太さではなく、指の腱と神経伝達系を極限まで鍛え抜いた結果です。
一方、アスリート界の生ける伝説として語り継がれているのが、男子ハンマー投アテネ五輪金メダリストの室伏広治氏です。室伏氏の握力にまつわるエピソードは枚挙にいとまがありません。
複数のテレビ番組や競技場での体力測定において、上限100kgや120kgのアナログ握力計を握った瞬間に針が振り切れ、文字盤のストッパーに激突して計測不能になったという逸話は、同席した多くのアスリートやスタッフにより証言されています。驚くべきは、室伏氏が握力に特化したトレーニングを行っていたわけではなく、ハンマーを投げるための全身連動と遠心力を抑え込むトレーニングの過程で、副産物としてその握力を獲得していた点です。腕相撲元日本王者や海外のボブスレー選手と対峙しても圧倒したその地力は、日本スポーツ史上屈指のグリップ力と言えます。