玉木雄一郎氏を語る際、最も頻繁に持ち出されるのが「第68・69代内閣総理大臣・大平正芳氏の親戚」という看板です。政治ファンの間では「香川が生んだ大物政治家の地盤をそのまま継いだエリート世襲ではないか」と受け止められることも少なくありませんが、この点には明確な事実誤認が存在します。
系譜関係を厳密に辿ると、玉木雄一郎氏と大平正芳元首相の関係は「直系の祖父と孫」ではなく、母方の遠縁(大平総理のいとこの孫にあたる親族関係)です。大平氏の選挙地盤を直接引き継いで初当選したわけではなく、玉木氏が初出馬した2005年総選挙(郵政解散)では、自民党の強固な公認候補と激戦を繰り広げ、落選を経験しています。
自著や当時の回顧インタビューにおいて、玉木氏は「実家には大平元首相揮毫の額縁が掲げられていたが、政治家としての地盤・看板・鞄は何一つ引き継いでいない」と語っています。名門政治家一族の血筋を受け継ぎつつも、スタート地点は完全な「非世襲の新人候補」であったのが紛れもない実態です。