貞観地震の真実と東日本大震災の教訓|1100年前の警告と最新研究

貞観地震の真実と東日本大震災の教訓|1100年前の警告と最新研究

貞観地震の真実と東日本大震災の教訓|1100年前の警告と最新研究の全貌を分かりやすくまとめてご紹介します。

かつて歴史学界や地震学界の一部では、『日本三代実録』の「溺死千計」「海水城下に達す」という表現は誇張ではないかと疑われていました。しかし、その認識を根底から覆したのが、産業技術総合研究所(産総研)などの研究グループによる仙台平野や石巻平野の津波堆積物調査でした。

地質調査チームが水田や湿地帯の地下ボーリング調査を実施した結果、火山灰層(915年の十和田火山噴火による十和田a火山灰など)の直下から、海から運ばれた砂や珪藻の化石を含む特異な地層が広範囲で発見されました。年代測定の結果、この砂層こそが869年の貞観津波によって運ばれた堆積物であることが特定されたのです。

堆積物の分布を追跡したところ、貞観津波の浸水範囲は海岸線から内陸へ約3〜4キロメートルに及んでいたことが判明しました。これは2011年の東日本大震災における津波浸水域とほぼ重なるラインです。文字で残された平安時代の記録が、1000年以上の時を経て地層という「地球の記憶」によって完全に裏付けられた瞬間でした。

田中 結衣
著者

田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。