世間においてコーラ 骨が溶ける 理由としてまことしやかに語られてきたのが、コーラに含まれる酸味調整剤「リン酸」の存在です。化学的には、リン酸カルシウムを主成分とする骨組織が強酸に触れれば脱灰を起こすのは事実ですが、それはあくまで直接接触させた場合の話に過ぎません。
人間がコーラを摂取した場合、液体は口腔を通過して食道を通り、ただちに胃へと送り込まれます。胃の内部には、コーラ(pH2.5前後)よりもはるかに強力な胃酸(pH1.0〜2.0の塩酸)が常に分泌されています。仮に強酸によって体内組織が溶けるのであれば、人間は自らの胃酸によって真っ先に崩壊しているはずです。
胃を通過した内容物は十二指腸へと進み、膵液などのアルカリ性分泌液によって瞬時に中和されます。その後、腸管から吸収された栄養素は血液に入りますが、人体の血液はホメオスタシス(恒常性)の働きによって厳密にpH7.35〜7.45の弱アルカリ性に保たれています。血流に乗って骨に届く段階では完全に中和されており、骨が酸によって物理的に溶解することは生化学のメカニズム上、絶対にあり得ないのです。