音楽理論の観点から本作を紐解くと、なぜこれほどまでに心地よく心に染み渡るのかが明確になります。ユニコーン「雪が降る町」のコード進行は、キーG(ト長調)を基調とした親しみやすいダイアトニックコードで構成されています。
イントロからAメロにかけては、<G - D/F# - Em - Bm - C - G - Am7 - D7>という、カノン進行のニュアンスを含んだ王道のベースライン下降が用いられています。この下降進行が、冷たい風が吹き抜け、雪が舞い落ちる冬景色の重力感を完璧に音像化しています。さらにサビ前での展開や、ストリングスとピアノが絡み合う間奏のアレンジが、素朴なフォークロックに上品な叙情性を付与しています。
複雑なテンションコードを多用せず、アコースティックギター1本でも原曲のニュアンスが損なわれないため、「雪が降る町」のギター弾き語りは、年末のライブや配信セッションの定番曲として親しまれています。初心者でも挑戦しやすいコードフォームでありながら、奥田民生特有のレイドバックしたボーカルのタイム感を再現しようとすると奥が深い点も、多くのプレイヤーを惹きつける理由です。