なぜ皿や歯につかない?幻の中華「三不粘」の正体!日本の名店&再現レシピ

なぜ皿や歯につかない?幻の中華「三不粘」の正体!日本の名店&再現レシピ

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中国料理の献立表に突如として現れる難解な4文字、三不粘の読み方は「サンプーチャン」(中国語発音:sānbùzhān)です。文献によっては「三不沾」とも表記され、その美しく艶やかな黄金色から「桂花蛋(グイフアダン)」という雅名でも親しまれてきました。

料理名にある「粘」は中国語で「くっつく」「粘りつく」を意味し、頭についた「三不」は文字通り「3つのものにくっつかない」という驚異的な物性を指しています。

第一に、盛り付けられた皿にくっつかないこと。第二に、口へ運ぶための箸(またはスプーン)にくっつかないこと。そして第三に、口に含んで噛み締めても歯にくっつかないこと。この3つの条件を完璧に満たして初めて、一人前の三不粘として認められます。

歴史を遡ると、そのルーツは明代から清代の山東料理にあり、後に紫禁城へと伝わって乾隆帝を魅了した北京宮廷料理の歴史に深く刻まれています。北京の老舗料理店「同和居」が看板料理として磨き上げたことで中国全土に名声を轟かせ、国家級の無形文化遺産にも指定されるほどの格式を誇るようになりました。

日本国内でその名が広く知れ渡るきっかけとなったのは、グルメ漫画の金字塔『美味しんぼ』(作:雁屋哲・画:花咲アキラ)の存在です。作中において、究極のデザートとして調理の過酷さと得も言われぬ食感がドラマチックに描かれたことで、多くの美食家たちの好奇心を刺激し、「一度は食べてみたい幻の美味」として記憶に刻まれました。

山崎 陸
著者

山崎 陸

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