尾畑さんがメディアに登場した際、ネット上や一部週刊誌では「家庭を顧みず全国を飛び回っているのではないか」「家族関係に問題があるのではないか」といった憶測が飛び交ったことがありました。しかし、その実態は一般的な家族観を超えた、深い信頼と自立に基づく関係性です。
尾畑さんには妻と子どもがいますが、65歳で鮮魚店を引退する際、妻から「これからはお互い自分の好きな人生を歩みましょう」という提案を受け、別々に生活を送るスタイル(卒婚に近い形)を選択しました。これは不仲による破綻ではなく、お互いの人生と生き方を最大限に尊重し合った結果です。
長年連れ添った妻は、尾畑さんの「人のために生きたい」という不器用なまでの純粋さを誰よりも理解しており、尾畑さんもまた妻への感謝を折に触れて口にしています。お互いに依存せず、自立した一個の人間として尊重し合う境界線(心理的バウンダリー)が保たれているからこそ、尾畑さんは迷いなくボランティアに打ち込むことができたといえます。