新酒の段階では暴れ馬のように荒々しい個性を持つ白百合ですが、時間の経過とともにその荒々しさは驚くべき気品へと変貌を遂げます。これこそが、愛好家垂涎の的である白百合古酒の魅力です。
泡盛は瓶詰めされた状態でも、自ら含有する高級脂肪酸エチルなどの成分が緩やかに酸化・結合を繰り返し、熟成が進む稀有な蒸留酒です。白百合を3年、5年、10年と寝かせると、若々しい土や草のニュアンスが徐々に丸みを帯び、バニラやカラメル、熟したメロン、乾燥ドライフルーツを想起させる濃密な甘い芳香へと変化していきます。
「新酒のクセが強ければ強いほど、熟成したときに化ける」というのは古くからの泡盛職人の格言ですが、白百合はその真理を最も雄弁に物語る存在です。現在市場に並ぶ限定古酒はもちろん、購入した通常ボトルの封を開けずに数年間冷暗所で寝かせる「自家熟成」も、愛好家の間で密かなトレンドとなっています。