店頭のショーケースから消えた動物たちは、一体どこへ向かうのでしょうか。取材と業界関係者へのヒアリングから判明したルートは、大きく分けて4つ存在します。
1つ目は、オークション運営会社や卸業者を通じたブリーダーへの返還です。特に血統や体格に問題がない個体は、将来の繁殖犬・繁殖猫候補としてブリーダーの元へ戻されます。2つ目は、大手ペットショップチェーンが自社で整備を進めているペットショップ譲渡ルートです。自社の専用シェルターや譲渡施設に移送し、適切な社会化トレーニングを行ったうえで里親を募る取り組みが定着しつつあります。
3つ目は、提携するアニマルシェルターや民間の保護団体への有償・無償での引き渡しです。近年はCSR(企業の社会的責任)活動の一環として、売れ残りを出さない仕組みづくりと同時に、保護団体と連携して店頭で保護犬猫譲渡会を定期開催する店舗が増加しています。
そして4つ目が、業界の暗部として長年問題視されてきた引き取り屋の実態です。2013年の動物愛護管理法改正によって、自治体(保健所)がペットショップやブリーダーなどの事業者からの動物引き取りを拒否できるようになりました。その結果、行き場を失った売れ残りや繁殖引退犬を、1頭あたり数万円の手数料を受け取って引き受ける「引き取り屋」と呼ばれる民間業者が台頭したのです。
引き取り屋の中には、最低限の給餌と給水のみで狭小なケージに閉じ込め、適正な医療ケアを怠ったまま終生を過ごさせる悪質なケースが後を絶ちません。2021年から段階的に完全施行された「飼育頭数制限(数値規制)」や「マイクロチップ装着の義務化」によって淘汰は進んでいるものの、法の目をかいくぐる不透明なブローカーの存在は、依然として完全な撲滅には至っていません。