物語の発端となった「身代金2億円」を巡る血みどろの争奪戦は、最終回(第9話)において視聴者の誰もが予想し得なかったスケールの結末を迎えました。結論から明かせば、事件のすべてのシナリオを描き、周囲の人間を駒として操り続けた黒幕は、他ならぬ妻・望月真理亜(木村佳乃)その人でした。
第1話で夫・幸平(伊藤英明)と愛人の北里杏南(相武紗季)が企てた毒殺計画を事前に盗聴で察知した真理亜は、自らの爪を剥ぎ、血を抜いて現場に撒き散らすという狂気の「狂言誘拐」を決行。世間の同情を買いながら幸平を殺人犯の一歩手前まで追い詰め、自らの元へ服従させようとしました。しかし、物語が進むにつれて2億円の争奪戦には隣人の鯨井夫妻、真理亜の協力者だった緒方、カフェの相棒・松本らが乱入し、混沌を極めます。
最終回において、隣人の鯨井有希(高橋一生)と真理亜を拘束した愛人の杏南は、毒入りワインを飲ませ合おうとする極限状態に陥ります。有希の放火によって望月邸が猛火に包まれる中、幸平は恐怖に駆られながらも真理亜を炎の中から救出。身代金の2億円は灰燼に帰したかに見えましたが、事件から数か月後、望月夫婦のもとに信じがたい「通知」が届きます。
真理亜が遺産を投じて契約していた英資系保険会社「N3キャピタル」の特殊誘拐保険が適用され、夫妻には非課税の保険金16億円が満額支払われることが決定していたのです。しかもその受取規定には「夫婦関係が継続していること」という絶対条件が課されていました。2億円の狂言誘拐すら、この16億円を手に入れ、かつ幸平を一生自分の手のひらの上で飼い殺すための壮大な布石に過ぎなかったという結末の真相は、日本のサスペンスドラマ史に残る戦慄のラストシーンとなりました。