『突然ですが占ってもいいですか?』を巡る最大の争点は、「当たりすぎの真相」と「やらせの有無」に集約されます。放送直後にはX(旧Twitter)などで「鳥肌が立った」「ここまで当てられるのは仕込みとしか思えない」という相反する反響が同時にトレンド入りする現象が定着しました。
テレビ制作関係者への取材や過去の元番組スタッフによる証言を総合すると、純粋な台本通りの「完全なやらせ(事前の口裏合わせ)」を行っている可能性は極めて低いとみられています。BPO(放送倫理・番組向上機構)の監視がかつてないほど厳格化した現代の地上波において、明らかな虚偽演出は番組終了だけでなく放送局全体の信頼失墜に直結するためです。では、なぜあそこまで恐ろしい的中劇が成立するのでしょうか。
現場で機能しているのは、テレビ特有の「重層的なスクリーニングと演出構成」です。一般出演者の場合、街頭ロケや公募の段階で数十項目に及ぶ詳細な事前アンケートが実施されます。家族構成、過去の病歴、職歴、住居の変遷などの膨大なライフログを提出した上で、予備面談(プレインタビュー)を経て「撮れ高のある人物」だけがカメラの前に座る構造になっています。
さらに見落とせないのが、放送におけるカット編集の効果です。実際のロケや鑑定現場は1人あたり1時間から2時間半に及びます。その中で外れた推測や曖昧な受け答えは巧みにトリミングされ、確信を持って言い当てた瞬間だけを凝縮して約10分〜15分のVTRに仕立て上げています。視聴者は「百発百中で言い当てている」と錯覚しますが、現場では試行錯誤のやり取りが積み重ねられているのがテレビバラエティの現実です。