『千と千尋の神隠し』の舞台が台湾の九份であるという言説は、映画公開直後から広く定着しました。しかし、宮崎駿監督自身は台湾メディアの個別取材に対し「九份を訪れたことはないし、映画のモデルにもしていない」と明言しています。
スタジオジブリの公式見解としても、制作時に九份をロケ地として参考にした記録はなく、公式資料に九份の名称が掲載されたことは一度もありません。かつてスタジオジブリのプロデューサーである鈴木敏夫氏も、作品の着想源となった場所について語る際、台湾の特定の街を指名した事実を否定しています。
それにもかかわらず噂が爆発的に広まった背景には、映画公開当時の台湾観光キャンペーンや現地ガイドの熱心なアピール、そして後述する圧倒的なビジュアルの一致がありました。公式の否定があった後も、その類似性の高さから「非公式ながら最も世界観を体感できる場所」として旅行者の心を掴み続けています。