日本で「イギリス」と呼ばれる国家の正式名称は、日本語で「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」、英語表記では「United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland」と表記されます。国際機関や公的機関では、これを略して「UK(United Kingdom)」や「連合王国」と呼ぶのが一般的です。
この国名がこれほどまでに長い理由は、国家の成り立ちそのものが「地理的名称」と「政治的統合」の積み重ねによって形成された連合国家(Union)である点にあります。単一の民族や単一の主権が一朝一夕に成立したわけではなく、複数の王国や公国が数世紀に及ぶ同君連合や合同法(Acts of Union)を経て一つの主権国家に統合されていった経緯が、そのまま名称に残されているのです。
名称を分解すると、その構造が極めて論理的であることが分かります。
前半の「グレートブリテン(Great Britain)」は、ヨーロッパ大陸の北西に位置する最大の島を指す地理的名称です。この島には、南東部のイングランド、西部のウェールズ、北部のスコットランドという3つの国(地域)が存在します。
そして後半の「北アイルランド(Northern Ireland)」は、グレートブリテン島の西隣にあるアイルランド島の北東部を指します。つまり、「グレートブリテン島にある3つの地域」と「アイルランド島の北部」が合同して成立した国家であるため、これを過不足なく正確に表現した結果、「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」という長大な正式名称になったというわけです。