ネット上の情報では「献杯には必ず日本酒を使う」「全員が同じ酒類を持つべき」といった固定観念が散見されますが、これは現代の儀礼現場の実態と乖離しています。
車社会の地方都市や高齢者が多い法事では、ノンアルコール飲料やお茶での献杯が完全に定着しています。お酒が飲めない方が無理にアルコールを注ぐ必要は一切なく、ウーロン茶やジュースが入ったグラスをそのまま掲げて問題ありません。挨拶側も「お酒が飲めない方はソフトドリンクのままで」と一言添える配慮があると、場が一気に和らぎます。
また、宗教・宗派による違いも押さえておきたいポイントです。
・神道(神葬祭):仏教の「献杯」に相当する儀礼として「献手(けんしゅ)」や「献酒(けんしゅ)」と呼ぶ場合があります。
・キリスト教(追悼会):基本的に献杯の儀式はありませんが、日本独自の習慣として食事前に祈りを捧げたり、故人を偲ぶ短い挨拶を行ったりします。この場合はグラスを掲げず、静かに祈りを捧げるのが通例です。