真野恵里菜さんのキャリアにおける最大の強みは、急激なブームに頼らない地道な下積みと確かな演技力にあります。2006年に「ハロプロエッグ」に加入し、2009年に『乙女の祈り』でソロ歌手デビュー。グループ全盛期にあって、ピアノの弾き語りを武器にソロアイドルとして孤軍奮闘した経験が、現在の折れない芯の強さを育みました。
2013年のハロプロ卒業後は本格的に女優へと舵を切り、NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』や映画『THE NEXT GENERATION -パトレイバー-』など硬軟問わぬ意欲作へ次々と抜擢。その評価を決定づけたのが、2016年の社会現象ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』における「やっさん」こと田中安恵役でした。
主人公・森山みくり(新垣結衣さん)の親友であり、元ヤンキーの若きシングルマザーという難役。不条理な夫との関係を断ち切り、八百屋の移動販売で自立しようと泥臭く生きる姿を、真野さんは体当たりのリアリティをもって熱演しました。視聴者の心を掴んだあの「自分の足で立ち、大切な者を守る」キャラクター像は、奇しくも現在の彼女が体現している生き方そのものと重なり合っています。