辺見鑑孝の歩みを理解するうえで、避けて通れないのが芸能界きっての波乱に満ちた家族環境です。両親の離婚、母親の洗脳被害、そして名優である父の闘病。一握りの人間しか経験し得ない激動の現場を、長男である彼はどのように受け止めてきたのでしょうか。客観的なデータとともに振り返ります。
辺見マリが2015年に上梓した手記や特別番組の証言によると、拝み屋による精神的支配が進行していた暗黒期、鑑孝氏は多感な10代半ばから20代前半をその修羅場の中で過ごしました。母親の財産が次々と搾取され、生活環境が激変するなかでも、彼は決して荒れることなく、幼い妹・えみりを守る防波堤の役割を背負い続けたといいます。
また、実父である西郷輝彦との再会と和解も、彼の精神的な成熟を語る上で欠かせません。長らく別れて暮らしていた父が前立腺がんを患い、オーストラリアでの先端治療(PSMA治療)に挑むなど壮絶な闘病生活を送るなかで、血のつながった長男として寄り添いました。2022年の父の逝去に際しても、表に出ることなく静かにその最期を看取った姿勢は、親族関係者の間でも高く評されています。