当時、ネット掲示板やSNS、知恵袋などで渦巻いたリアルな世論の声は、加藤のアーティストイメージと現実の行動の落差に対する激しい失望でした。
「熱い言葉で『夢を諦めるな』『人を信じろ』と歌っていた人間が、裏では不倫して他人の家庭を壊し、婚外子を作っていた。二度と歌詞が胸に響かない」
このような厳しいバッシングが殺到し、ソロ活動のCMやタイアップは即座に停止となりました。しかし、世論の潮目が完全に破滅へ向かわなかった要因は、ふたつの極めて人間味あふれる「現場のリアクション」にありました。
第一に、加藤自身の徹底したノーガードの全面謝罪です。釈明会見において加藤は弁解を一切口にせず、「全責任は自分にある」「一生をかけて償う」と汗と涙を流しながら頭を下げ続けました。その痛々しいまでの姿は、自己保身に走る他の不倫タレントとは一線を画していました。
第二に、被害者である柴田英嗣が見せた圧倒的な人間的器量です。柴田は記者団の直撃取材に対し、冗談を交えながら「怒りはありません。加藤ちゃんも相当パニックになっていた」「一番かわいそうなのは生まれてくる子供。誰も加藤を責め立てて子供を不幸にしてほしくない」と加藤を庇う姿勢すら見せました。
この柴田の振る舞いによって、世論の過激なリンチ熱は急速に鎮静化し、事態は「私生活の重大な過ちを背負いながら、関係者全員が泥を被って子供を守る」という大人の解決劇へと昇華されていきました。