耳下腺が痛い原因とは?片側の腫れや食事中の激痛を見分ける基準

耳下腺が痛い原因とは?片側の腫れや食事中の激痛を見分ける基準

耳下腺が痛い原因とは?片側の腫れや食事中の激痛を見分ける基準の具体的な内容に迫る! わかりやすい言葉で紐解きます。

耳下腺は、唾液を作り出して口腔内へ分泌する「大唾液腺」の中で最も大きな組織です。耳たぶの前下部からエラ(下顎角)の周辺に位置しており、細菌の侵入、唾液の通り道の閉塞、あるいは腫瘍の発生によって多彩な症状を引き起こします。症状の現れ方を正しく把握することが、背後にある病気を見極める第一歩です。

なかでも典型的なのが、「食事中の激痛」です。レモンや梅干しなど酸味のあるもの、あるいは美味しい食事を一口食べた瞬間に耳の下がパンパンに張り、焼けるような痛みに襲われる場合、唾石症(だせきしょう)が強く疑われます。唾液を口の中に送るステノン管(耳下腺管)の中にカルシウムなどの結晶(結石)が詰まり、分泌された唾液の逃げ場がなくなって腺体内圧が一気に跳ね上がることで激痛が生じる物理的なメカニズムです。食後30分から1時間ほど経つと唾液の分泌が落ち着き、痛みが引いていく点が大きな特徴と言えます。

一方、食事に関係なく持続的な痛みと腫れが続く場合は、耳下腺炎の可能性が高まります。感染性の耳下腺炎は、大きく分けてウイルス性と細菌性の2つに大別されます。

  • 流行性耳下腺炎(おたふく風邪):ムンプスウイルスによる感染症。片側の腫れから始まって数日後にもう片側も腫れるケースが多く、発熱や全身倦怠感を伴います。小児期だけでなく、抗体を持たない大人が感染すると高熱や激しい頭痛に発展しやすい特徴があります。
  • 化膿性耳下腺炎:脱水や口腔内細菌の逆流によって黄色ブドウ球菌などが耳下腺内に侵入し、感染を起こす病態。通常は「片側だけ」が赤く腫れ上がり、指で押すと激しい痛みを感じます。進行すると頬の内側にある開口部から膿が排出されます。
  • 反復性耳下腺炎:明確な細菌感染や結石がないにもかかわらず、片側あるいは両側の耳下腺が周期的に腫れて痛む病態。幼少期に好発しますが、成人でもアレルギーや唾液分泌低下を背景に発症を繰り返すケースが報告されています。
  • 耳下腺腫瘍:耳の下に硬い「しこり」が触れるものの、「熱なし・痛みなし」で経過することが大半です。ただし、しこりが急速に大きくなったり、顔の半分が動かしにくくなる(顔面神経麻痺)症状や鈍い痛みを伴う場合は、悪性腫瘍(耳下腺がん)を厳重に警戒しなければなりません。
山口 彩花
著者

山口 彩花

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。