ネット上のコミュニティやSNSを観察すると、「魚焼きグリルの網に皮がごっそり持っていかれて身がバラバラになった」「網を洗うのが面倒すぎてイワシを買うのを諦めた」という悲鳴が日常的に投稿されています。この挫折感こそが、家庭における魚離れの大きな心理的要因となっています。
魚の皮が金属製の網にくっつく現象は、魚の皮や身に含まれるタンパク質が高熱の金属と接触した際に結合する「熱凝着(ねつぎょうちゃく)」が原因です。これを防ぐプロの現場の裏技は至って明快です。
ひとつは、「網をしっかり空焼きして熱した上で、酢または油をペーパーで塗る」ことです。網が冷たい状態で魚を乗せると急激に熱凝着を起こしますが、高温に熱した網に油や酢の皮膜を作っておくことで、タンパク質の分子結合を物理的・化学的に遮断できます。
もうひとつは、後片付けの悩みを根底から覆すグリルの下準備です。水受け皿が必要なグリルであれば、水を入れる代わりに「大さじ2杯の重曹」や「水に溶いた片栗粉」を入れて加熱します。片栗粉を入れて焼くと、冷めた時に魚の脂を吸った片栗粉がプルプルに固まり、ペロッと剥がしてゴミ箱へ捨てるだけで受け皿掃除が完了します。
一方、より確実かつ手軽に成功させたいなら、フライパン用ホイルを使用した魚の焼き方が最適解です。シリコーン樹脂加工が施されたフライパン用ホイルは、油を一切引かなくても皮が全く張り付きません。フライパンを汚さず、イワシから染み出た自身の脂で皮をパリッと揚げ焼きにする状態が作れるため、失敗をゼロに抑えられます。