ネット上の情報やSNSでは、水面の妖精の管理についていくつかの重大な誤解が流布しています。第一の盲点は「新枝咲きだから冬は地際でバッサリ強剪定してよい」という誤認です。
クレマチスには「旧枝咲き」「新枝咲き」「新旧両枝咲き」の3大グループが存在します。ジャックマニー系などの新枝咲きと同じ感覚で、冬に地際ギリギリまで切り詰めてしまうと、春一番に開花するはずだった充実した古枝の花芽をすべて切除することになります。その結果、株は初夏以降にゼロから伸びた新枝のみに花をつけることになり、「春のメインシーズンに花が咲かない」という事態に陥るのです。正解は「充実した太いツルを残し、節のふくらんだ芽の上で切る中剪定〜弱剪定」です。
第二の盲点は「肥料をやればやるほど八重の花弁が増える」という思い込みです。水面の妖精のゴージャスな八重咲きを維持しようと、チッ素成分の多い油かすや液肥を過剰に与えると、いわゆる「つるボケ」を起こします。葉と茎ばかりが旺盛に繁茂し、肝心の中央部の花弁が未発達のまま緑色の貧弱な姿で終わってしまいます。豪華な花容を引き出すためには、チッ素(N)を控えめに抑え、リン酸(P)とカリ(K)が強化された開花促進用肥料を与えるのが鉄則です。