雨の日の外出直後、なぜスタイリングは一瞬で崩れ去ってしまうのか。その根本的な原因は、空気中に充満する過剰な水分と、毛髪の構造変化にあります。
毛髪の形状を支えている結合にはいくつかの種類がありますが、ヘアアイロンやブローの熱によって一時的に形作られるのは「水素結合」です。水素結合は水に濡れると結合が切れ、乾くと再結合するという極めて繊細な性質を持っています。晴天時の湿度が40〜50%程度であるのに対し、雨天時には湿度が80〜90%以上に跳ね上がります。この時、空気中の水分がキューティクルの隙間から髪の内部へと侵入し、朝アイロンで整えた水素結合を片っ端から切断してしまうのです。
特にカラーやパーマ、紫外線などでダメージを受けた毛髪は、保護膜であるキューティクルが剥がれ落ち、内部に「ダメージホール(空洞)」が無数に発生しています。この空洞がまるで乾燥したスポンジのように湿気を過剰吸収し、水分を含んだ部分だけが局所的に膨らみます。これが、雨の日に現れる独特の「うねり」や「不揃いな広がり」、頭頂部から飛び出す「アホ毛」の正体です。つまり、雨の日ヘアアレンジ崩れない理由を突き詰めれば、外気の湿気をいかに毛髪内部へ侵入させないか、そして侵入されても崩れようがない物理的構造を作れるかに集約されます。