美しい光沢を長く保つために良かれと思って行っている手入れが、実は寿命を縮める致命的なミスになっているケースが後を絶ちません。最も避けるべき行為は、「研磨剤(コンパウンド)入りのシルバー磨きクロス」で拭くことです。
市販の金属用クロスには微細な研磨鉱物が含まれており、硫化したシルバーの黒ずみを削り落とすには有効ですが、ロジウムコーティング製品に使用すると、わずか数十回拭くだけで極薄のコーティング層を自ら削り取ってしまいます。貴金属店のアフターサービス窓口でも、「綺麗にしようとクロスで磨き続けたら下地が出てしまった」という駆け込みが日常的に発生しています。
ロジウムの輝きを長持ちさせる正しい日常のお手入れ・メンテナンス方法は、極めてシンプルです。
- 使用後の乾拭き:研磨剤を含まないメガネ拭き用のマイクロファイバークロスやセーム革を使い、汗や皮脂を優しく拭き取る。
- 定期的なぬるま湯洗浄:汚れが目立つ場合は、薄めた中性洗剤を入れたぬるま湯に浸し、柔らかい絵筆や指の腹で軽くなで洗いしたあと、水分を完全に拭き取って乾燥させる。
- 保管時の摩擦防止:他の宝石や硬い金属とぶつかり合わないよう、個別のジュエリーポーチや仕切りのあるケースに収納する。
万が一コーティングが摩耗した場合でも、専門のジュエリー修理・再メッキ業者に依頼すれば、古い被膜を電解剥離し、地金を綺麗に磨き直した上で新品同様のコーティングを再塗布することが可能です。