医療現場やコミュニティスペースで当事者の声を聞くと、この不快感は単なる「気分の問題」にとどまらない深刻な消耗戦であることが分かります。
「毎晩、仕事の納期に追われて街中を全力疾走する夢ばかり見て、目が覚めるとシーツが寝汗でびっしょり濡れている。朝6時の時点で、出社するエネルギーがすでにゼロになっている」(30代・IT企業勤務男性の手記より)
「亡くなった知人や過去の失敗がフラッシュバックする悪夢が続き、夜中に動悸で目が覚める。スマートウォッチの睡眠スコアは連日50点以下で、深い睡眠がわずか15分と表示されて絶望した」(40代・事務職女性の告白より)
睡眠専門クリニックの問診票に並ぶこれらの生々しい記述は、ストレスと悪夢の真相を如実に物語っています。過度なストレス負荷にさらされると、情動を司る脳の扁桃体が過敏になり、恐怖や焦燥感を伴う悪夢を誘発します。さらに、夢の中で生じた恐怖によって心拍数や血圧が跳ね上がり、アドレナリンが分泌されるため、肉体は休息どころか激しい運動を行った後と同じ疲弊状態に陥るのです。寝起きの倦怠感に効く生活習慣を求めてサプリメントや寝具を買い替える人が後を絶ちませんが、表面的な対処だけではこの神経興奮のループを断ち切ることはできません。