トレンデレンブルグ徴候の真実|原因と陽性判定・デュシェンヌとの違い

トレンデレンブルグ徴候の真実|原因と陽性判定・デュシェンヌとの違い

トレンデレンブルグ徴候の真実|原因と陽性判定・デュシェンヌとの違いにまつわる興味深い視点を分かりやすく発信ます。

トレンデレンブルグ徴候を理解する上で、避けて通れないのが「デュシェンヌ徴候」との鑑別です。両者は同じ「中殿筋機能不全」を起点としながら、臨床で現れる身体の動きは正反対の軌跡を描きます。

項目トレンデレンブルグ徴候デュシェンヌ徴候編集部の見解・評価主たる身体の変位遊脚側(健側)の骨盤が下垂する体幹が支持脚側(患側)へ過度に傾斜する骨盤が落ちるか、上体を倒して防ぐかの明確な差力学的メカニズム外転筋力不足による骨盤保持モーメントの完全な破綻重心を患側股関節中心に近づけモーメントアームを短縮デュシェンヌ徴候は高度に計算された「無意識の代償動作」歩行時の観察像立脚期に健側の腰がガクンと下がる(トレンデレンブルグ歩行)立脚期に上半身を患側に大きく振る(動揺性歩行)複合して出現することも多く歩行周期の精密分析が必須徒手筋力検査(MMT)中殿筋筋力 MMT 3〜4レベルの軽度〜中等度低下中殿筋筋力 MMT 2以下の重度低下、または疼痛回避筋力低下が重度になるほど体幹傾斜による代償が強まる

デュシェンヌ徴候の本質は「代償動作」です。中殿筋の筋力が著しく低下している、あるいは股関節に激しい疼痛がある場合、患者は骨盤が下がるのを防ぐため、上半身を患側にあえて傾けます。これにより、身体の重心線が患側の股関節回転中心に近づき、骨盤を維持するために必要な中殿筋の筋張力を物理的に最小限に抑えることができるのです。つまり、トレンデレンブルグ徴候が「支えきれずに崩れた状態」であるのに対し、デュシェンヌ徴候は「崩れるのを回避するために身体をねじ込んだ適応」と言えます。

山本 拓海
著者

山本 拓海

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。