頭の中がうるさい原因と対処法|脳疲労・反芻思考を断つ科学的処方箋

頭の中がうるさい原因と対処法|脳疲労・反芻思考を断つ科学的処方箋

頭の中がうるさい原因と対処法|脳疲労・反芻思考を断つ科学的処方箋にまつわる役立つ知識を分かりやすく発信ます。

頭の中で何人もの自分が同時に議論を交わしているかのような騒々しさは、心理学で「内言(ないげん)」と呼ばれる現象が制御不能に陥っている状態です。内言とは、声に出さずに頭の中で言葉を使って考える行為であり、人間の推論や行動計画には欠かせない機能です。しかし、これが過剰に加速すると、本人の意思とは無関係に独り言や過去の記憶が高速で再生され続けます。

この暴走を司っているのが、脳科学で注目されるデフォルトモードネットワーク(DMN)です。DMNは、脳が意識的な作業を行っていない「アイドリング状態」のときに活性化する神経ネットワークで、内側前頭前野や後帯状皮質などが関与しています。驚くべきことに、脳全体の消費エネルギーのうち約60〜80%がこのDMNによって消費されています。スマートフォンやPCから絶え間なく情報を浴び続ける現代人は、無意識の処理タスクが山積みとなり、アイドリング回転数が危険水域まで跳ね上がったまま冷却できない状態に陥っているのです。

また、ハーバード大学の著名な心理学研究(マシュー・キリングスワース博士らによる大規模追跡調査)では、「人間は起きている時間の約46.9%において、今行っていることとは別のことを考えている(マインドワンダリング状態にある)」という衝撃的なデータが示されています。そして、意識が心ここにあらずの状態にある時間ほど、人の幸福感は有意に低下することが実証されました。脳が過去の後悔や未来の不安を勝手にシミュレーションし続けること自体が、過剰な脳疲労を生み出す元凶となっています。

松本 悠斗
著者

松本 悠斗

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。