財務レバレッジとは?借入で利益を伸ばす計算式と倒産リスクの真相

財務レバレッジとは?借入で利益を伸ばす計算式と倒産リスクの真相

財務レバレッジとは?借入で利益を伸ばす計算式と倒産リスクの真相に関する基本知識を徹底的にまとめました。詳細を読もうことができます。

企業財務の分析において、財務レバレッジが単なる借金の比率にとどまらず決定的な意味を持つ理由は、投資家が最も重視する指標の一つであるROE(自己資本利益率)と直接結びついているためです。これを明快に解き明かしたのが、米国の化学メーカーが開発した伝統的な財務分析手法であるROEデュポンシステム分析です。

デュポンシステムでは、株主の預けた資金からどれだけ効率的に利益を生み出したかを示すROEを、以下の3要素に分解して評価します。

【デュポン分解式】ROE = 売上高純利益率(収益性) × 総資産回転率(効率性) × 財務レバレッジ(財務規律)

この式が示す通り、企業の純利益率や資産効率に大きな変化がなくても、財務レバレッジを2倍から3倍へと引き上げるだけで、見かけ上のROEは1.5倍に急伸します。これが、多くのグローバル企業やアクティビストファンドが資本構成の最適化としてレバレッジ活用を求める数学的根拠です。

さらに重要なのが、ROAと財務レバレッジの関係です。ROA(総資産利益率)は「当期純利益 ÷ 総資産」で算出され、企業が持つ全ての資産を使ってどれだけ利益を出したかという本質的な稼ぐ力を示します。この関係を数式で表すと「ROE = ROA × 財務レバレッジ」となります。

事業の稼ぐ力(ROA)が5.0%の企業であっても、財務レバレッジを3.0倍まで利かせれば、株主へのリターンであるROEは15.0%という高水準に達します。自前の資金だけで小さくまとまるのではなく、金融機関から資金を調達して大型の設備投資や買収を仕掛け、投下資本利益率が借入金利を上回る限り、株主価値は加速度的に増大します。これこそが「レバレッジを利かせる」ことの最大の効能です。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。