南西諸島に視点を移すと、もうひとつの極めて近い隣国として台湾が挙げられる。
日本最西端の地である沖縄県八重山郡与那国島(よなぐにじま)から台湾本島(宜蘭県・花蓮県方面)までの直線距離は約111km。与那国島から東京都心までは約2,000km、県庁所在地の那覇市まででも約509km離れているため、国内の主要都市よりも台湾のほうがはるかに近い。
与那国島の西崎(いりざき)展望台からは、年に数回、台風一過の直後など極めて大気の状態が良い条件下において、台湾中央山脈にそびえる3,000m級の雄大な山並みが水平線上に浮かび上がる。国境を越えて隣国の巨大な島影を直接望む体験は、まさに国境離島ならではのダイナミズムだ。2026年現在も、与那国島と台湾東部を結ぶ高速船や観光実証事業など、国境を活かした地域活性化の取り組みが熱い注目を集めている。