世界を見渡すと、個人の自己決定権を尊重する観点から安楽死や自殺幇助(ほうじょ)を法制化する動きが欧米を中心に広がっています。ただし、国によって認められている医療行為の形態や要件は大きく異なります。
法制度として安楽死または医師自殺幇助が認められている主な国・地域は以下の通りです。
【欧州エリア】
・スイス:1942年より利己的な動機がない場合の自殺幇助を非犯罪化。外国人の受け入れ組織が複数存在。
・オランダ:2002年に世界初の包括的「安楽死法」を施行。積極的安楽死と医師自殺幇助の双方が合法。
・ベルギー:2002年に合法化。2014年には年齢制限が撤廃され、一定条件を満たす未成年も対象。
・ルクセンブルク:2009年に安楽死・医師自殺幇助法を可決。
・スペイン:2026年に重度疾患や耐え難い苦痛を抱える成対象の安楽死法が施行。
・オーストリア:2026年より末期患者等を対象とした自殺幇助が合法化。
・ポルトガル:度重なる憲法審査を経て2026年に法制化。
【北米・オセアニア・南米エリア】
・カナダ:2016年に「MAID(Medical Assistance in Dying)」制度を導入。
・アメリカ(一部州):オレゴン州(1997年施行の尊厳死法)をはじめ、ワシントン州、カリフォルニア州など10以上の州および特別区で医師自殺幇助が合法。
・オーストラリア:ビクトリア州を皮切りに、全6州で自発的安楽死(VAD)法が成立。
・ニュージーランド:2026年に「生命を脅かす病気」に対する終末期選択法が施行。
・コロンビア/エクアドル:最高裁判所の判決に基づき合法化。
このように合法化地域は増加傾向にありますが、大半の国では「自国に居住権を持つ国民・居住者」に限定しており、渡航者が利用できるケースは極めて限定的です。